インプレから見る自曲の傾向と対策(無名戦17編)
①はじめに
第17回自称無名BMS作家が物申す!(以下無名戦17と呼称)が終わって早一か月が経ちました。
今更あれこれ言うのもナンセンスな気がしますが、せっかくデータを集めたのに自曲に活かさないのもなんだかなあと思ったのでブログという形でまとめることにしました。
なお、今回のブログは前回作成したデータ・統計を利用している部分があるため、よろしければこちらも見ていただけると嬉しいです。
②自曲概要
2-1. 曲
こんな曲を作りました。
テーマ的にはバグと戦う新人プログラマーって感じです。ベースが荒ぶるとバグります。
おしゃれな感じと太いベースが合わさると面白いなあという発想からスタートしています。
youtu.be 曲のテーマに沿った感じのBGAです。変数名には気を付けましょう。
③自曲分析 -総論-
それではデータを見て曲を分析していきましょう。
順位は36位/69位、平均点順位は32位/69位でした。
その他データは以下画像の通りです。
ほとんど中央値と差がないことから、無名戦17における平均的な曲といえるのではないでしょうか(?)。
I Know値は2作目であるにもかかわらず10.99%という結構高めの値になりました。I Know値が高くなったのは直前のBMSイベントである東方音弾遊戯9に参加したのが理由だと考えられますが、それを踏まえても10%超えなのはありがたいですね。
インプレ数の分布を見ると極端に9点が多く、7,8,10点がほぼ変わらない数であることがわかります。
さらに無名戦17のインプレ分布平均と比較したものがこちらです。
確かに平均と比較した場合も9点が突出していますが、それだけでなく7点も平均と比較すると多いことがわかります。
インプレの点数基準は人によって様々なので原因については断定できませんが、8,9,10点だけでインプレの75%を占めていることから7点というのは低評価……とは言い切れませんが少なくとも高評価だとは言えないでしょう。
また、9点が多い理由としてはインプレ欄でいくつか「惜しい」などのコメントが見られたことから、粗のあるBMSになってしまったかなという印象です。
総じて、インプレ数は平均で全体としては賛否両論気味、賛の場合も一部の粗が目立つ作品という感じでしょうか。平均的な得票分布の曲ではなく、たまたま平均的な点数に落ち着いたというのが正しいかなと思います(前言撤回)。
④自曲分析 -各論-
それでは次に曲のどこが良かったのか・悪かったのかを分析していきましょう。
今回はポジティブなポイントかネガティブなポイントをインプレ中に挙げているものを「具体インプレ」と命名し、その具体インプレ群から集計を行いました。
例)曲が良かったです。:非具体インプレ
ピアノが良かったです。:具体インプレ
これは曲やBGAのどこが良かったのか・悪かったのかをより明確にするための措置です(曲が良かった=ピアノ・ベース・雰囲気全てが良かったとは言えないため)。
また、複数の評価点があった場合、重複して計測しています。
以下画像が集計結果です。なお、キーワードについては表記ゆれを避けるため一部意味が変わらない程度に書き換えています。
4-1. ポジティブポイント
まずは楽曲の評価点を見てみましょう
具体インプレ中20%以上で「ピアノ」や「おしゃれ」という点が評価されていました。ピアノ自体は当初の狙い通りと言えますが、おしゃれというのは最初から狙ったわけではない(Just The Two of Us進行などのおしゃれ要素は入れたので全く想定外の評価ではありませんが……)ので少し以外かなという印象です。
また、ピアノとベースが絡む展開や雰囲気も評価点として挙げられていました。この辺りも当初の狙いに近いため、聴いてほしいポイントはしっかりと伝えられたのかなという印象です。
次は楽曲以外の評価点を見てみましょう。
譜面に関しては「皿が面白い」という評価が多かったです。AnotherやInsane譜面には皿地帯をアクセントとして盛り込んだため、それを楽しんでいただけたようです。ただ、Hyper以下でも皿が面白いという評価もあり、全体的に楽しめる皿配置が作れたかなと考えています。
他にも「演奏感」も評価点として挙げられていました。ピアノはほぼ音階通りの配置なので、その点が演奏してる感に繋がっているのかと思います。
BGAついては「かわいい」という評価が多かったです。最近絵を描き始めたのですが、これからも練習を重ねてよりかわいい絵が描けるようになりたいです。
4-2. ネガティブポイント
次は「ここを改善すればいいと思います」のような部分を集計しています。そのため「80点が100点になったはず」と「20点が60点になる」という評価が混ざっていると思いますが、そこまで詳しくは判断できないのでとりあえずひとまとめにして集計しています。
まずは楽曲について見てみましょう。
「ベース」や「ミックス」についての指摘が多かったです。特にサビはピアノとベースが混ざるため、その部分で違和感を与えてしまう結果になったのかなと思います。
また、サビのドラムで急に4つ打ちになる点も指摘されていました。あまりステップしすぎてもどうかなと思って4つ打ちにしましたが、そのままステップのスピード感を維持した方が確かに面白い曲になった気がします。
airhorn(レイブホーンなど)が場違いという指摘は本当にその通りですね……。なんとなく使ってみたかったんです。
次は楽曲以外を見てみましょう。
譜面の融通の悪さ(偏り)についての指摘が挙がっていました。あまりに音階に固執するあまり1~3鍵にノーツが偏り、その結果微妙な押しにくさが出てしまったような気がします。若干押しやすいように譜面を崩すみたいなテクニックもこれから身に付けていく必要がありそうです。
⑤自曲の傾向と対策
5-1. 傾向
楽曲としてはピアノとオシャレ感は評価できるが、ベースとミックスに改善点が多い。譜面は演奏感を意識しすぎて融通の悪い形になってしまっている。
5-2. 対策
おしゃれなピアノみたいな点は残しつつ、よりベースやドラムを曲に馴染ませるような音作り・配置・ミックスを目指していきたいです。
また譜面はもう少し遊びというか押しやすさみたいなものも取り込んで何回も遊んでいただける譜面を作れるよう頑張ります。
⑥おわりに
実際このように集計・分析することで長所や短所がしっかりと見えてくるので面白いなと思いました。そもそも自分の作品を第三者が長所短所含めレビューしてくれる機会というのは非常に少なく、このような貴重なデータを活かしてこそより「強い」作品が作れるような気がします(個人の感想です)。
この結果を含めていつかリベンジしたいですね。具体的には来年のA-1でしょうか。
ここまで閲覧くださり誠にありがとうございました。
数字で振り返る無名戦17 & A-1 10th
目次
①前文
②集計方法
③インプレ分析
④曲毎インプレ分析(総数・平均・中央値)
⑤曲毎インプレ分析(分布)
⑥Not Air分析
⑦後文
①前文
第17回自称無名BMS作家が物申す! & A-1 CLIMAX 10TH - LIKE A SHINING DIAMOND -、お疲れ様でした。
両イベント合わせて100作品を超えた結果評価期間が1週間延長され、上位の曲は100インプレを超えるような大盛況でした。
今回このようなイベントに参加できたことを大変嬉しく思うと共に、自分なりにこのイベントを見直したいと考え、このブログを作成しました。
恐らく色々なところで語られている内容と重複する点も多いかと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
今回のブログ作成にあたり、このような素晴らしいイベントを開催してくださったSOMONさん及びtolzさんに感謝いたします。また、htmlからインプレの情報を抽出する方法をご教授くださった吟世かいなさん(本イベントでも素晴らしい成績を残されています)にも厚く御礼申し上げ、感謝の意を表します。
②集計方法
本ブログを作成するにあたり、第17回自称無名BMS作家が物申す! & A-1 CLIMAX 10TH - LIKE A SHINING DIAMOND(以下、無名戦17及びA-1 10thと呼称)の全インプレをcsv化しました。下記URLより閲覧・ダウンロードが可能です。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1E97AXqkTCpapTNdEBmqn7bPRcsbCiJnVT2TWJ-UzG90/edit?usp=sharing
このcsvはイベント終了時のhtmlを保存し、インプレ部分を抽出したものとなっています。特殊文字など対応できていない部分も多いため、参考程度に利用していただければと思います。
独自集計のため、一部数字には間違いがある可能性があります。何卒ご容赦ください。
③インプレ分析
インプレの統計は下記画像の通りです。
まずインプレ総数・総得点です。
インプレ総数(commentやresponseを除く、点数をつけているインプレ)は両イベント合わせて9731インプレ(内無名戦17は6560インプレ、A-1 10thは3171インプレ)でした。
インプレによる総得点は80874点(内無名戦17は54464点、A-1 10thは26410点)でした。
約10000インプレという凄まじい数値からも、今回の無名戦17 & A-1 10thの盛り上がりが分かると思います。
続いてインプレの平均得点と分布です。
1インプレあたりの平均点は8.311点(無名戦17は8.302点、A-1 10thは8.302点)でした。
同じ会場・同じ得点システム(正確にはA-1側にはNot Airがありますが)ということもあり、両イベントでの平均点数差はほぼ見られませんでした。
インプレ点数分布は概ね7~10点で点数を付ける方が多かったということがわかりますが、無名戦17ではインプレ数が8点<9点<10点であるのに対してA-1 10thでは8点>9点>10点となっている点が興味深いと思います。
④曲毎インプレ分析(総数・平均・中央値)
まず総数・平均・中央値です。
総数・平均・中央値の統計は下記画像の通りです。
曲数は合計108曲(内無名戦17は69曲、A-1 10thは39曲)でした。
平均インプレ数は90.102インプレ(無名戦17は95.072インプレ、A-1 10thは81.308インプレ)、インプレ数中央値は88インプレ(無名戦17は91インプレ、A-1 10thは77インプレ)でした。
この辺りは同会場でありつつも別イベントであることが分かる結果になっています。
平均インプレ総得点は748.833点(無名戦17は789.333点、A-1 10thは677.179点)、インプレ総得点中央値は729.5点(無名戦17は774点、A-1 10thは622点)でした。
平均インプレ数に比例して総得点にも差があることが分かります。
平均インプレ平均点は8.238点(無名戦17は8.225点、A-1 10thは8.261点)、インプレ平均点中央値は8.318点(無名戦17は8.398点、A-1 10thは8.292点)でした。
曲毎インプレ平均点の平均値と中央値を比較した際に、無名戦が平均値<中央値であるのに対してA-1が平均値>中央値である点は注目です。分布の形がイベントによって異なる可能性が示唆されます。
⑤曲毎インプレ分析(分布)
続いて分布です。
分布の統計は下記画像の通りです。
情報量が多いため、注目点のみの説明です。
平均点分布(曲毎)のグラフから分かるように、無名戦とA-1ではインプレ平均点の最頻値が異なることが分かります。全体としての平均値はほぼ同じであるため、無名戦とA-1では同じような得点の付け方をしているように見えますが、実際は得点の付け方が異なっているのではないかと推測しています。
⑥Not Air分析
最後にA-1特有の評価であるNot Airについてです。
統計は下記画像の通りです(I Knowについても少し載せています)。
曲毎平均Not Air%は35.72%、曲毎Not Air%の中央値は31.94%でした。
分布を見ると、特定の範囲に数値が集中しているわけではなく分散していることが分かります。
⑦後文
参加者としてはどうしても自曲のスコア(と上位勢のスコア)だけを気にしてしまいがちなのですが、このように全インプレの統計を取ることでまた別の見え方ができたのではないかと思いました。
ここまで見てくださった参加者の方がいらっしゃいましたら、自分の曲がグラフのどの位置にいるのか、あるいはインプレ分布がどのように異なるのか、といった点を見ることでまた違ったインプレの楽しみ方ができるのではないかと思います。
ここまで閲覧くださり誠にありがとうございました。